こんなときに
営業が属人化していて、状況が見えない
誰がどの案件をどこまで進めているのか、月末にならないと分からない。担当者が辞めると、顧客ごといなくなる。
よくある状況
案件の状況は担当者の頭の中。会議では「あの件は進んでます」で終わる。見積を出したあと、返事がないまま止まっている案件がいくつあるか、誰も把握していない。
展示会で集めた名刺は箱に入ったまま。何年も前に取引が途切れた顧客のリストは、どこかにあるはずだが誰も見ていない。
そして毎月、新規開拓の号令だけがかかります。
手をつける順番
いきなりツールを入れても解決しません。順番があります。
1. 商談ステージを定義する
「見込みあり」「検討中」といった曖昧な区分を、何が起きたら次に進んだと言えるのかで定義し直します。「見積を提出した」「決裁者と会えた」のように、事実で判定できる形にします。
ここが決まると、案件が今どこにあるのかが誰の目にも分かるようになります。会議の質が変わるのは、たいていこの時点です。
2. 止まっている案件を洗い出す
見積を出したまま返事がない案件。多くの会社で放置されています。決まらない理由を確認する連絡を入れるだけで動く案件は、決して少なくありません。
3. 休眠客に巡回のルールを作る
一度取引があって、その後止まっている顧客。新規開拓より確度が高いのに、仕組みがないと誰も手をつけません。どの周期で、誰が、何をきっかけに接触するかを決めます。
4. 失注を集めて分析する
失注情報は宝の山です。なぜ負けたのかを集めていくと、価格なのか、納期なのか、そもそも訴求がずれていたのかが見えてきます。ここから自社の強みの言い方と、製品の見せ方を変えていきます。
負けた記録を残すのは気が進まないものですが、ここを続けられる会社は強くなります。
5. 「今すぐ客」と「そのうち客」を分ける
同じ問い合わせでも、今月動く人と、半年後に動く人がいます。同じ追い方をすると、前者は取りこぼし、後者には嫌われます。それぞれに合った接触の仕方を設計します。
6. 展示会の名刺に優先順位をつける
何年分も溜まったまま手つかず、という状態はよくあります。全件にアプローチするのは現実的ではないので、どこから触るかの基準を決めます。
7. ルート営業の巡回に目的を持たせる
決まった顧客を回る営業でも、「とりあえず顔を出す」では成果が積み上がりません。何を確認しに行くのか、どの頻度で回るのか。目的から巡回のルールを整理します。
ツールの位置づけ
以上が整理できてから、CRMやSFAの話になります。順番が逆になると、入力の手間だけが増えて誰も使わなくなります。
なお、この領域は生成AIの活用でやり方が変わっていく可能性が高いと見ています。商談履歴の要約や次のアクションの提案は、すでに実用の段階に入りつつあります。動向を見ながら、使えるものは取り入れていきます。
近い実績
700名規模の投資用不動産会社で、営業DXを支援しました。属人化していた営業活動と顧客情報の管理方針を整理し、商談進捗、追客プロセス、活動履歴の可視化と継続フォローの仕組み化を行っています。
「今すぐ客」中心で追客をしてこなかった防音窓施工の会社では、失注理由の聞き取りと記録、見積提出後のフォローの仕組みづくりを支援しました。休眠客リストが「資産」に変わっていく過程は、東京都中小企業振興公社の公開事例で読めます。
このページを書いているのは 中山幸子(スマートプラス株式会社)です。
この場面について書いた記事
- ツールに業務を合わせる、に私は賛成です——ただし選ぶ前に見ておきたい3つの領域
Fit to Standard(業務をツールの標準に合わせる考え方)に、私は賛成です。ただ、CRMや会員管理システムを選ぶ段階で「合わせればいい」と軽く決めると失敗します。会計・会員管理・商談管理(SFA)で合わせやすさが違うこと、いま使っているツールだけを見て合わせると失敗する理由、選ぶ前にやる棚卸しとRFPの順番を、支援の現場から書きました。
- SFAを入れる前に決めること——営業の行動管理は、何から手をつけるか
営業を個人任せにしてきた会社が、SFA(営業支援システム)をゼロから入れようとしています。話しやすいお客さまに足が向くのは当たり前で、会社として重視したい先ほど後回しになる——それが見えていないだけです。営業の属人化を全部なくす必要はありません。行動管理を何から手をつけるか、揃えるところと揃えないところを、支援の現場から書きました。
- マーケティングの本質は、手段の話ではないと思っています
「ホームページをどうしたらいいか」「SNSで売上を伸ばしたい」。ご相談はいつもここから始まります。でもマーケティングの本質は、その手前にあります。自社の商品を理解して好きになること、良さが伝わっていない機会損失を埋めること。150社以上を支援してきて、帰り道にいつも考えていることを書きました。
ほかの場面
- 1社依存から抜け出したい
切られたら会社が終わる、という自覚はある。でも新規開拓なんてやったことがない。何から手をつけていいか分からない。
- サイトを更新したいが中身が決まらない
サイトが古いので作り直したい。ただ、制作会社に頼もうにも、何を載せたいのかが自分たちでも決まっていない。
- リードが商談につながらない
名刺もリストも溜まっている。メールも送っている。それなのに、そこから商談が生まれてこない。
- メール配信の成果が見えない
メールマガジンを配信しているが、仕事につながっている実感がない。続けるべきかどうかも判断できない。
- 顧客データが分散している
同じ会社がCRMに何件も登録されている。名刺管理と請求システムにも同じ顧客がいて、どれが正しいのか誰も分からない。
- 顧客管理ツールを選びたい
顧客情報がExcelや名刺、担当者の頭の中に散らばっている。そろそろツールを入れたい。
- RFPを作りたい
RFPを作る必要が出てきた。ひな形は拾えるが、自社の中身をどう埋めればいいか分からない。
- ベンダーの提案が比較できない
提案書が3社分そろった。金額も構成もバラバラで、どれが自社に合うのか判断できない。
- 会員管理システムを刷新することになった
会費の管理、研修の申込、名簿、委員会。ひとつのシステムに載っている業務が多すぎて、どこから手をつけるか決まらない。
- 基幹システムを入れ替えることになった
サポート終了が決まった。動いてはいるが限界が見えている。ただ、何から始めればいいか分からない。
- 業者が多すぎて全体が分からない
サーバー、基幹システム、ネットワーク、会計、複合機。気づけば6社も7社も関わっていて、役割も契約も誰も全体を把握していない。
- 外部の専門家の必要性を社長に説明したい
現場は限界だと分かっている。でも社長は「今の業者に任せておけば大丈夫」。何をどう説明すれば伝わるのかが分からない。
まずは一度、話してみませんか
「何から手をつければいいか分からない」の段階でかまいません。現状をうかがって、優先順位を整理するところからご一緒します。初回のご相談に費用はいただいていません。