「MAツール入れたら、メルマガの開封率が分かるんですね!すごい!」
そう言って喜んでいた担当者さんが、翌週には真っ青な顔をしてこう言います。
「……開封率、全然低いんですけど。」
あるあるです。
むしろこの反応にならない人はいないと言ってもいいくらいです。
なぜなら、多くの人は「思ったよりメールって読まれていない」という現実に、初めて数字で触れるからです。
ここでまず、安心してほしいことがあります。
開封率は「絶対的な正しさを持つ数字」ではありません。
それどころか、ものすごく「環境と前提」に左右される、かなり“揺らぐ数字”です。
だから、開封率だけを見て「成功・失敗」を判断する必要はありません。
むしろ、そこに“意味を持たせる考え方”を持っておくことが大切です。
この記事では、開封率を見るときに押さえておくと楽になる視点をまとめま
した。
特に「数字に振り回されがちなご担当者」に届きますように。
開封率は、リストと商材で目的が違う
メールを受け取る人が、
すでに知っている相手なのか
全く知らない相手なのか
興味を持っている段階なのか
まだ関心が浅い段階なのか
これだけで、開封するかどうかは全然違うのです。
なので、目的と状況が違えば、目指す開封率も当然変わります。
例)同じ「メルマガ」でも、土台が違えば数字は変わる
| 配信相手 | 関係性 | 開封率が上がりやすい理由/下がりやすい理由 |
| 既存顧客 | 既に信頼関係がある | 「この会社の情報なら役に立つ」と思われているため読まれやすい |
| 過去に取引はないリード(見込み客) | 関係性はこれから | 「自分に関係ある情報か」判断される段階なので反応は低くなりがち |
| 大手企業・事業会社 | セキュリティが厳しい | 実際に読まれていても「開封シグナルが返らない」ことが多いので数字が見えにくい |
つまり、
どんなメルマガでも“同じ開封率を目指す”というのは不自然 なんです。
もっといえば、
開封率は 「相手との関係性」 の現在地を示しているに過ぎません。
高い・低いは、良い悪いではなく、
「今どこに立っているか」という地図です。
その地図を見ながら、関係性を育てていくことが大切なのです。
このほうが「なぜ目指す開封率が変わるのか」がストンと落ちるはずです。
必要なら、ここに以下のように感情 / 経験の一文を入れて、さらに「人間味」を出すこともできます
「なんでうちはこんなに低いんだ…」ではなく、
「今はまだ、知ってもらう段階なんだな」に変わると、
メールを送る時間が、少し優しいものになります
開封率の数字は「だいたい」でしかない
実は、開封率は精度100%ではありません。
理由はシンプルで、
メールが開封されたかどうかは、「1pxの透明画像が読み込まれたか」を基準にしているから。
そのため、
先方のセキュリティがその画像読み込みをブロック → 本当は開けてるのに「未開封」扱い
逆に、先方のメールサーバーがウイルスチェック等で勝手に開封 → 読んでないのに「開封済み」扱い
ということが普通に起こります。
特に 大手企業はセキュリティが強いので、数字はかなり揺れます。
つまり、
開封率は「参考値」です。
それ以上でも、それ以下でもありません。
数字は見るけれど、数字に心を奪われないこと。
これが、メルマガ運用の精神衛生を守る最大のポイントです。
「1通ごとの開封率」を上げるのは、件名とプリヘッダー
1通だけで判断するなら、「件名とプリヘッダー」が全てです。
メールボックスで見えるのは、この2つだからです。
▼Gmailの場合の表示(プリヘッダーはメールボックスの一覧表で右に表示されます)

※なお、プリヘッダーを指定しないで送るケースも多いと思いますが、その場合は冒頭から表示されます。
「こんにちは〇〇です」などで表示を使い切ってしまう場合などは、もったいないですね。
つまり、「開く動機」はここでほぼ決まります。
例えば:
件名が「お知らせ」だと、誰も開けません。
件名が「あなたに関係あるかもしれません」だと、人は開ける。
メールは「自分ごと」じゃなきゃ開かれません。
なので、改善したいならまずはここからです。
しかし、ここにも落とし穴があります。
本当は、件名よりも「誰が送っているか」の方が強い
件名が大事なのは確かですが、
それは “関係性がまだできていない”段階の話です。
逆に言えば、
「この人のメールは開く価値がある」と思われている場合、件名はさほど影響しません。
友達から「ちょっと聞いて」とLINEが来たとき、内容見ずに開きますよね。
それと同じです。
メルマガも本来はコミュニケーションです。
件名で勝負し続けないといけない状態は、「関係がまだ浅い」というだけ。
ただ、それは良い・悪いではなく、今の位置を知るだけです。
「また開けたくなるメール」は、本文体験でつくられる
そして、もうひとつ大事なこと。
開封率は「過去の体験」の影響を受け続けます。
過去に開けて「読んでよかった」と思った人は、また開けます。
過去に開けて「あんまり刺さらなかった」と思った人は、次は開けません。
つまり、
本文は無駄ではありません。
むしろ「次回の開封率」を作るのは本文です。
メルマガは一回では終わらない。
小さな体験の積み重ねで関係性がつくられていきます。
まとめ
メルマガ開封率に振り回されないための、重要な視点はこの5つです。
開封率はリストや商材によって「目指す姿」が違う
開封率の数字は100%正確ではなく「参考値」
一通ごとの勝負は「件名+プリヘッダー」
長期的には「誰が送っているか」の信頼が効く
「また開けたい」と思わせるのは本文の体験
つまり、
メルマガは、数字で測るものではなく「関係性」で育てるもの。
この感覚を持てると、焦りや不安ではなく、楽しさが生まれます。
メールは「情報配信」ではなく「つながりの場」。
その意識だけで、メルマガはまったく別物に変わります。
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