Zoho CRM「クライアントスクリプト」でテキスト項目の初期値を表示
※2023年2月に書いた記事です。末尾に2026年10月の追記があります。
2023年は始動から珍しくZoho CRMの「クライアントスクリプト」や「関数」のコーディングをしていました。開発というやつです。
開業当初は、私自身がコーディングすることは全く視野になく、もし必要になっても外注する予定でした。
ご支援していく中で、皆さんとしては手軽に仕様を分かっている人にワンストップで対応して欲しいという気持ちもあるようで、私自身が手を動かすことにしました。
通常は、Zoho CRM導入の際、コーディングすることをお勧めしてません。やはり、せっかくのパッケージです。過去のユーザーからの声を元にしたノウハウが濃縮された仕様になっていますので、標準のテンプレートはやはり便利だと感じます。
そのまま使えば定期的にアップデートもされていきますので、時代に合わせた変更も必要ありません。
極力ツールの仕様通りに使うことをおすすめしたいのです。
とはいえ、どうしても業務の調整がつかなかったり、イレギュラーな使い方をせざるを得なくて、結果同じデータを2か所にコピペで入力するというオペレーションが出てしまうことや、効率化(ちょっとの効率化でも毎日繰り返す作業なので意義が大きい)といった場合は、「関数」や「クライアントスクリプト」といったコーディングをすることもあります。
テキスト項目に初期値を入れたい
今回紹介する内容は、コードを書くレベルとしては超簡単な部類に入ります。短いコードで実現できますのでコーディング経験がない方でもすぐ対応できます。
何をしたかというと、見込み客や連絡先、商談などどこのタブでもいいのですが、新規作成画面を開いたときに「初期値をセットする」ということを行いました。
「選択肢項目」であれば下記のように「初期値」(最初に選択されている値)を決めることが出来ます。
(右上の歯車マーク→「タブと項目」→タブ名→選択肢項目「オプション」で)

しかし、この機能、テキストにはないようです。しかし実際はテキストに初期値が入っていると嬉しいケースもあります。
- ほとんど東京都の取引先だから初期値を「東京都」にしてしまおう
- 受注書の配送予定日は今日から1週間後を初期値でセットしておこう(日付項目への応用)
そして「クライアントスクリプト」では、たとえば登録画面を表示した時にテキスト項目にセットする値を決められます。
作成時のクライアントスクリプトであれば、「既に値が入っているときはその値を優先し云々」といった面倒な処理を書かなくとも、あくまでも初回に登録画面を表示した時の初期値を指定し、それは書き換えもできます。
ということが簡単にできます。

手順は2ステップです
①API設定をする(管理者)
歯車マーク→API→切り替えスイッチ「API名」→タブを選択して関連する項目のAPI名を確認
(API名は変更すると、既存の関数やクライアントスクリプトが動かなくなるので、分からない方は変更せず、名前をコピーするだけにしてください)
②クライアントスクリプトの設定
歯車マーク→クライアントスクリプト→タブを選ぶ
今回の場合は下記のような設定になります。

書いたコードは例えば下記のような感じです。
ZDK.Page.getForm().setValues({
'State': '東京都',
'Phone': '03-'
})
このクライアントスクリプトが登録画面表示時に読み込まれることによって、画面表示段階で電話番号には「03-」が、都道府県項目には「東京都」がセットされるようになりました。

2026年10月の追記
画面や手順は2023年当時のままなので、いまの画面とは違うところがあるかもしれません。
いまは、このくらいのコードならAIに書いてもらうのがいちばん早いです。ご相談いただいたときも、AIを使った解決のしかたをお伝えしています。
ただ、コードが書けることと、CRMがうまく回ることは別の話です。ここまで自分で設定できる方とは、設定のやり方よりも、その手前の話をご一緒できると思っています。
- そもそも、CRMのその使い方で合っているのか
- どういう考え方で設計するのがいいのか
- ほかの会社はどう管理しているのか(名寄せをどうするか、など)
私はコンサルタントとして、顧客管理ツールを中立の立場でご案内しています。ですから、Zohoだけをお勧めすることはしていません。
ただ、以前Zohoのパートナー企業に勤めていたので、操作や設定は分かることが多いです。すでにZohoをお使いの方には、設定やカスタマイズまでご支援しています。まだお使いでない方には、ほかのツールも含めて中立に評価するところからお手伝いします。
ツールの相談から始まって、気づけば「自分たちは何屋なのか」を言い直している。そういう仕事を、私はしています。
中山 幸子
ほかの記事
- 業務棚卸のやり方とフォーマット——システムを入れる前に、何をどこまで書き出すか
業務棚卸とは、会社の中の仕事を書き出して、誰が何をしているかを見えるようにする作業です。進め方の5ステップと、そのまま使える業務棚卸表(Excel)を載せました。システムを入れる前の棚卸しで見るところ、きれいな建前しか出てこないときの聞き方も、支援の現場から書きました。
- 本音が出ると、何が起きるか——自分事になる、要件が絞られる、続く
CRMを選ぶ会議で「面倒くさいことはやりたくない」と言った営業の方が、いま一番入力しています。本音が出ると、ツールは自分事になり、膨らんだ要件は本質に絞られ、入れたあとも続きます。決め方を変えるのではなく、本音が出る場所を一つ足す。ツールの選定と定着に立ち会ってきた中で見てきたことを書きました。
ツールの前に、話をしよう。
まずは一度、話してみませんか
「何から手をつければいいか分からない」の段階でかまいません。現状をうかがって、優先順位を整理するところからご一緒します。初回のご相談に費用はいただいていません。