こんなときに

CRM・顧客管理ツールを選びたい

顧客情報がExcelや名刺、担当者の頭の中に散らばっている。そろそろツールを入れたい。

よくある状況

顧客の情報が、Excelと名刺管理ツールと担当者の記憶に分かれている。担当が変わると引き継ぎができない。誰がどの顧客にいつ連絡したのか、遡れない。

そこで「CRMを入れよう」となります。比較サイトを見て、何社かに問い合わせて、デモを見る。

ただ、この順番だと、たいてい使われないまま終わります。

使われないまま終わる理由は、機能の差ではなく、選ぶ過程で現場の本音が出たかどうかにあります。そのことはなぜ本音から始めると成功するかに書いています。

ツールを選ぶ前に決めること

機能比較の前に、社内で答えを出しておきたいことが3つあります。

何を管理したいのか

顧客を管理したいのか、案件を管理したいのか、活動履歴を管理したいのか。似ているようで、必要な機能はまったく違います。ここが曖昧なまま「顧客管理ツール」を探すと、営業支援ツールを買って使われないまま終わる、ということが起こります。

誰が入力するのか

これが一番よく抜けます。仕組みとして完璧でも、入力する人にとって面倒なら、データは溜まりません。データが溜まらなければ、分析もフォローもできません。

「この人が、この場面で、これくらいの手間で入力する」というところまで具体的に描けているかどうかで、結果が大きく変わります。

何がどうなれば成功なのか

「業務効率化」では曖昧すぎます。問い合わせから初回連絡までの時間なのか、失注案件の再アプローチ件数なのか。測れる形にしておかないと、入れたあとに評価ができません。

この3つは、ベンダーには決められません

自社の業務と現場の実態を知っている人にしか整理できないからです。

とはいえ社内だけで進めようとすると、部門ごとに言い分が違って止まることも多い。そこで外から入って交通整理をする、というのが私の役割です。

この3つを自分たちで決めると、「このツールを選んだ理由」を自分の言葉で言える人が、社内に残ります。

私がお手伝いすること

  • 現状の顧客情報の持ち方と、業務の流れの整理
  • 管理したい情報と、入力する人・場面の設計
  • 商談ステージの定義(何が起きたら次に進んだと言えるか)
  • 目的に照らしたツールの比較・選定
  • 導入後の運用ルールづくりと定着支援

どのツールの味方でもないので、同じ物差しで比べられます。場合によっては「今はツールを入れず、Excelの持ち方を整える方が先です」とお伝えすることもあります。

近い実績

700名規模の投資用不動産会社で、営業の進め方と顧客情報の持ち方の整理を支援しました。属人化していた営業活動と顧客情報の管理方針を整理し、商談進捗、追客プロセス、活動履歴の可視化と継続フォローの仕組み化を行っています。

保険代理店では、顧客情報・接点管理の整理と、外部システムとの連携方針の策定を支援しました。

また、既存のCRMがオーバースペックで運用が負担になっていた防音窓施工の会社では、ツールの選び直しから顧客タイプ別の運用設計までを支援し、売上単価が前年比1.5倍になりました。この事例は東京都中小企業振興公社のサイトで公開されています。

このページを書いているのは 中山幸子(スマートプラス株式会社)です。

この場面について書いた記事

  • 業務棚卸のやり方とフォーマット——システムを入れる前に、何をどこまで書き出すか

    業務棚卸とは、会社の中の仕事を書き出して、誰が何をしているかを見えるようにする作業です。進め方の5ステップと、そのまま使える業務棚卸表(Excel)を載せました。システムを入れる前の棚卸しで見るところ、きれいな建前しか出てこないときの聞き方も、支援の現場から書きました。

  • 本音が出ると、何が起きるか——自分事になる、要件が絞られる、続く

    CRMを選ぶ会議で「面倒くさいことはやりたくない」と言った営業の方が、いま一番入力しています。本音が出ると、ツールは自分事になり、膨らんだ要件は本質に絞られ、入れたあとも続きます。決め方を変えるのではなく、本音が出る場所を一つ足す。ツールの選定と定着に立ち会ってきた中で見てきたことを書きました。

  • ツールに業務を合わせる、に私は賛成です——ただし選ぶ前に見ておきたい3つの領域

    Fit to Standard(業務をツールの標準に合わせる考え方)に、私は賛成です。ただ、CRMや会員管理システムを選ぶ段階で「合わせればいい」と軽く決めると失敗します。会計・会員管理・商談管理(SFA)で合わせやすさが違うこと、いま使っているツールだけを見て合わせると失敗する理由、選ぶ前にやる棚卸しとRFPの順番を、支援の現場から書きました。

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